「加水分解シルク」という成分名を目にしたことはあるものの、具体的にどんな効果があるのかわからないという方も多いのではないでしょうか。加水分解シルクは、シャンプーやトリートメント、化粧水やクリームなど、さまざまなヘアケア・スキンケア製品に配合されている注目の美容成分です。
この記事では、加水分解シルクの基本的な特徴から髪や肌への具体的な効果、他の美容成分との違いまでわかりやすく解説します。
加水分解シルクとは?
加水分解シルクは、蚕(かいこ)の繭から得られる絹繊維を特殊な方法で分解し、肌や髪に浸透しやすい形に加工した美容成分です。
シルクは古くから高級素材として衣服などに使用されてきましたが、その優れた特性を美容分野に活かすために開発されたのがこの成分です。化粧品の成分表示では「加水分解シルク」、英語では「Hydrolyzed Silk」と記載されます。
加水分解とは
加水分解とは、水を使って大きな分子を小さな分子に分解する方法のことです。
シルクの主成分である「フィブロイン」というタンパク質は、そのままでは分子が非常に大きく、肌や髪の内部に浸透しにくいという弱点がありました。そこで、フィブロインを加水分解して分子を小さくすることで、浸透性を高めたものが加水分解シルクです。
この技術はコラーゲンやケラチンなど他のタンパク質成分にも使われており、美容成分の効果を高める手法として広く活用されています。
加水分解シルクに含まれる美容成分
加水分解シルクには、10種類以上のアミノ酸が豊富に含まれています。
主なアミノ酸は以下のとおりです。
- グリシン:肌のコラーゲン生成に関わる成分
- アラニン:肌の潤いを保つ働きがある成分
- セリン:髪のタンパク質を構成する重要な成分
- チロシン:肌の代謝をサポートする成分
これらのアミノ酸は、私たちの肌にもともと存在する「天然保湿因子(NMF)」と似た構成を持っているため、肌や髪との相性がとても良いのが特徴です。
乾燥した肌に加水分解シルクを補うと、肌が本来持っている保湿成分を補給するような形で自然になじんでくれます。単なる保湿成分ではなく、肌や髪の構成成分に近いアミノ酸を届けられる点が、他の美容成分にはない魅力といえるでしょう。
加水分解シルクの「髪への効果」

加水分解シルクは、ヘアケア製品に配合される代表的な補修・保湿成分のひとつです。髪のダメージが気になる方や、ツヤやハリのある美髪を目指す方にとって、嬉しい効果が期待できます。
傷んだキューティクルを補修してなめらかな髪へ
加水分解シルクは分子が小さく浸透性に優れているため、傷んだ髪の内部やキューティクルの隙間に入り込み、ダメージを受けた部分を補修する働きがあります。
カラーリングやパーマ、ドライヤーの熱などでキューティクルが傷つくと、髪表面がめくれて凹凸ができ、指通りが悪くなったりパサついて見えたりします。加水分解シルクはこうした凹凸を埋めるようになじみ、髪表面をなめらかに整えてくれます。
その結果、絡まりにくくまとまりのある髪へと導き、毎日のスタイリングがしやすくなる効果が期待できます。
髪内部まで届く潤いケア
加水分解シルクは髪の表面だけでなく、内部にまで浸透して潤いを届ける効果があります。
カラーやパーマを繰り返してスカスカになった髪の場合、内部の水分やタンパク質が流出して乾燥しやすくなっています。加水分解シルクに含まれるアミノ酸がこうした髪の内部に入り込み、水分バランスを整えるサポートをしてくれるのです。
また、適度な吸湿性があるため、髪に必要な水分を保ちながらもべたつかない軽やかな仕上がりを実現できることも魅力です。
シルク特有の上品なツヤ
加水分解シルクを配合した製品を使用すると、髪に自然で上品なツヤが生まれます。これは、加水分解シルクが髪の表面に薄い膜を作り、光を均一に反射させることで生まれる効果です。
この膜は非常に薄く軽いため、髪を重たくすることなく、サラサラとした質感を保ちながらツヤを与えてくれます。シリコンのような人工的な光沢ではなく、絹のように自然で品のある輝きが得られることが、加水分解シルクならではの特徴です。
細くなった髪にハリやコシを与える
年齢とともに髪が細くなってきた、ボリュームが出にくくなったと感じている方にも、加水分解シルクはおすすめです。
加水分解シルクに含まれるアミノ酸は髪のタンパク質と似た構成のため、髪の内部に浸透してダメージ部分を補強し、ハリやコシを与える効果が期待できます。
細い髪やエイジングで弱くなった髪は、内部のタンパク質や水分が失われていることが多いのですが、加水分解シルクがその不足分をサポートすることで、根元からふんわりと立ち上がる髪へと導きます。
加水分解シルクの「肌への効果」

加水分解シルクは髪だけでなく、肌にも嬉しい効果をもたらしてくれる成分です。
化粧水や乳液、クリームなどのスキンケア製品に配合されることも多く、保湿からエイジングケアまで幅広い美容効果が期待できます。
角質層の水分量を高めて乾燥を防ぐ
加水分解シルクは肌の角質層への浸透性に優れており、内側から潤いを与えて水分量を高める効果が期待できます。
肌の天然保湿因子(NMF)と似たアミノ酸で構成されているため、肌なじみが非常によく、自然な形で角質層に浸透していきます。また、水分を抱え込む性質があるため、肌に与えた潤いを長時間キープする働きもあります。
乾燥による肌のカサつきやつっぱり感が気になる方にとって、心強い保湿成分となるでしょう。
薄い皮膜を形成して肌をバリア
加水分解シルクは肌の表面に薄い保護膜を作り、外部刺激から肌を守るバリア機能をサポートする効果があります。
具体的には、以下のような外的ストレスから肌をガードしてくれます。
- 乾燥した空気
- 紫外線
- 摩擦やこすれ
- ホコリや花粉などの微粒子
この膜は非常に軽く、肌の呼吸を妨げることがないため、つけていても重さや違和感を感じにくいのが特徴です。バリア機能が低下した肌や、乾燥でデリケートになった肌にとっては、この保護作用が大きなメリットとなります。
メラニン生成を抑えて透明感のある肌へ
加水分解シルクには、「チロシナーゼ」という酵素の働きを抑える作用があることが知られています。チロシナーゼはメラニン色素を作るときに働く酵素で、この働きを抑えることで、シミやソバカスの原因となるメラニンの過剰生成を防ぐ効果が期待できます。
紫外線を浴びる機会が多い方や、くすみのない透明感のある肌を目指す方にとって、注目すべき成分です。
抗酸化作用によるエイジングケア
加水分解シルクには抗酸化作用があり、肌の老化の原因となる「酸化」から肌を守る効果が期待できます。
紫外線やストレス、大気汚染などによって体内に発生する「活性酸素」は、肌のハリや弾力を保つコラーゲンやエラスチンにダメージを与え、シワやたるみの原因となります。加水分解シルクの抗酸化作用により、こうした酸化ダメージを軽減し、肌のハリや弾力を保つサポートをしてくれます。
年齢とともに気になり始めるエイジングサインにアプローチしたい方におすすめの成分です。
加水分解シルクと他成分の比較
美容成分にはさまざまな種類があり、それぞれに異なる特徴や効果があります。
ここでは、加水分解シルクとよく比較される代表的な成分との違いを解説します。
ヒアルロン酸との違い
ヒアルロン酸は、1gで約6リットルもの水分を保持できるといわれる高い保水力が特徴の成分です。主に肌の表面で水分を抱え込み、潤いを与える働きがあります。
一方、加水分解シルクは浸透性に優れており、肌や髪の内部にまで入り込んで潤いを届けることができる点が大きな違いです。
| 項目 | ヒアルロン酸 | 加水分解シルク |
| 主な働き | 表面で水分を保持 | 内部に浸透して補修・保湿 |
| 効果の特徴 | 保湿に特化 | 保湿・補修・ツヤ付与など多機能 |
| 質感 | しっとり | 軽やかでサラッとした仕上がり |
両方の成分を組み合わせて使用することで、表面と内部の両方から潤いをケアする相乗効果も期待できます。
コラーゲンとの違い
コラーゲンは肌のハリや弾力を保つために重要なタンパク質で、化粧品では「加水分解コラーゲン」として配合されることが多い成分です。
加水分解コラーゲンは主に肌の保水力を高め、ふっくらとしたハリを与える効果が期待できます。
加水分解シルクとの違いは、その質感と浸透性にあります。
加水分解シルクは加水分解コラーゲンよりも分子が小さい傾向があり、より深く浸透しやすいという特徴があります。また、コラーゲンはしっとりとした使用感であるのに対し、シルクはサラッとした軽い仕上がりになります。
べたつきが苦手な方や、軽い使用感を好む方には加水分解シルクがおすすめです。
シリコンとの違い
シリコンは髪の表面をコーティングして、なめらかな手触りやツヤを与える成分として、多くのヘアケア製品に配合されています。即効性があり、使用直後から髪がサラサラになる効果を実感しやすいことが特徴です。
ただし、シリコンと加水分解シルクには以下のような違いがあります。
| 比較項目 | シリコン | 加水分解シルク |
| 働く場所 | 髪の表面をコーティング | 髪の内部まで浸透して補修 |
| ダメージケア | 表面を覆うだけで内部補修はなし | 根本的なダメージケアが可能 |
| 仕上がり | 蓄積すると髪が重くなることも | 軽やかで蓄積しにくい |
| ツヤの質感 | 人工的なツヤ | 自然で上品なツヤ |
髪本来の健康を大切にしたい方には、加水分解シルクがおすすめです。
加水分解シルクが配合されている主な製品
加水分解シルクは、その多機能な美容効果から、さまざまな種類の製品に配合されています。
どのような製品に含まれているのかを知ることで、自分の悩みや目的に合ったアイテムを選びやすくなります。
ヘアケア製品
ヘアケア分野では、以下のような製品に加水分解シルクが配合されています。
- シャンプー
- トリートメント・コンディショナー
- ヘアオイル・ヘアミルク
- 洗い流さないトリートメント
特にダメージケアや補修効果を謳った製品に多く見られます。
例えば、パーマやカラーリングで傷んだ髪をケアしたい方は、「ダメージ補修」「うるおい補修」などと書かれた製品の成分表示をチェックしてみると、加水分解シルクが配合されていることが多いです。
スキンケア製品
スキンケア分野では、以下のような製品に配合されています。
- 化粧水
- 乳液・美容液
- フェイスパック
- ボディウォッシュ
保湿効果を重視した製品や、エイジングケアラインの製品に採用されることが多く、乾燥肌向けのスキンケアシリーズでもよく見かけます。
メイクアップ製品にも配合されることがあり、肌の上でなめらかに伸びて自然なツヤ感を与える効果が期待されています。
加水分解シルクを贅沢に配合した製品「シルクザリッチ」とは?

加水分解シルクの効果を最大限に活かしたヘアケア・ボディケア製品として注目されているのが「シルクザリッチ(SILK THE RICH)」です。
シルクザリッチは、94%が美容成分で構成されたシャンプー・トリートメントシリーズ。髪や頭皮にやさしいアミノ酸系洗浄成分をベースに、まるで洗顔泡のような濃密シルキーホイップ泡でやさしく洗いながら補修・保湿ができます。加水分解シルクが髪の内部まで浸透し、シルク特有のなめらかな質感と「天使の輪っか」のような上品なツヤを叶えてくれます。
さらに、シルク水をベースにした潤うボディウォッシュも展開。髪だけでなく、全身でシルクの心地よさを体感できるのも魅力です。
髪の悩みに合わせて選べる3つのヘアケアラインナップに加え、ボディウォッシュも3種類から選べます。
| カテゴリ | タイプ | 特徴 |
|---|---|---|
| ヘアケア | 白(モイスト&リペア) | ダメージ補修・保湿に特化 |
| ヘアケア | 黒(スカルプ&リペア) | 頭皮ケアに特化 |
| ヘアケア | ピンク(ハイモイスト&リペア) | うねりケアに特化 |
| ボディケア | ボディウォッシュ(3種類) | シルク水ベースで潤いながら洗える |
まるで絹のようになめらかで輝く美髪・美肌を目指したい方は、ぜひチェックしてみてください。
加水分解シルクに関するよくある質問
加水分解シルクについて、よく寄せられる疑問とその回答をまとめました。
加水分解シルクはどんな人におすすめですか?
カラーやパーマによるダメージ、乾燥によるパサつき・広がり、年齢による髪のハリ・コシ不足が気になる方におすすめです。肌への使用では、乾燥肌やくすみ、エイジングケアを始めたい方に向いています。シルク特有の軽やかでべたつかない使用感も魅力です。
加水分解シルクは敏感肌やアレルギー体質でも問題ないですか?
安全性試験で皮膚刺激やアレルギー反応がほとんどないことが確認されており、医薬部外品原料規格にも収載されている安全性の高い成分です。ただし、シルクは動物性タンパク質のため、シルクアレルギーのある方は注意が必要です。敏感肌の方は、使用前に腕の内側でパッチテストを行うことをおすすめします。
どこを見れば加水分解シルクが含まれているか分かりますか?
パッケージの「全成分表示」で確認できます。日本語では「加水分解シルク」、英語では「Hydrolyzed Silk」と記載されています。成分表示は配合量の多い順に記載されるため、前半にあるほど多く配合されていると判断できます。
まとめ
加水分解シルクは、蚕の繭から得られるシルクを加水分解して浸透性を高めた、髪にも肌にも嬉しい効果をもたらす美容成分です。
髪に使えば、傷んだ部分を内側から補修してなめらかに整え、まるで光を纏うような上品なツヤと、ふんわり立ち上がるハリ・コシを叶えてくれます。肌に使えば、角質層の奥まで潤いを届け、透明感のある明るい素肌へと導きます。ヒアルロン酸やコラーゲン、シリコンと比較しても、浸透性の高さと多機能性、シルク特有の軽やかで上品な質感は、加水分解シルクならではの魅力です。
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