髪のパサつきや枝毛、切れ毛など、日常生活のなかで少しずつ蓄積されていくダメージに悩まされていないでしょうか。健康的でツヤのある髪を保つためには、ダメージの原因を正しく理解し、適切なケアを行うことが欠かせません。
本記事では、髪がダメージを受ける主な原因と、その対策について詳しく解説します。
髪がダメージを受ける原因
髪の毛がダメージを受ける原因は、特別なケアを怠ったときだけではありません。実は、普段のヘアケア習慣やスタイリング方法が、気づかないうちに髪に負担をかけている場合があるのです。
ここでは、髪の健康を守るために知っておきたい代表的なダメージ要因について解説します。
シャンプーやブラッシングでの摩擦
髪のキューティクルは摩擦で傷むため、力を入れてゴシゴシと洗ったり、濡れた髪を無理にとかしたりすると、キューティクルが剥がれやすくなってしまいます。確かに、毎日のシャンプーやブラッシングは、清潔な髪と整った見た目を保つためには欠かせません。
髪へのダメージを最小限にするために、シャンプーは指の腹でやさしく洗ってください。また、ブラッシングは毛先からゆっくり丁寧にするのがポイントです。
ドライヤーやヘアアイロンなどの熱
髪のセットに欠かせないドライヤーやヘアアイロンは、熱が発生するため、髪のダメージを大きくしてしまう原因の1つです。特に、髪が濡れている状態はキューティクルが開いているため、非常にデリケートな状態です。この状態で高温の熱を加えると、髪の内部にあるタンパク質が変性し、弾力やしなやかさを失ってしまいます。
そのため、ドライヤーはできるだけ髪から距離を取り、熱が一点に集中しないよう動かしながら使用してください。また、ヘアアイロンは乾いた髪に使い、必要以上の温度で長時間あてないよう注意が必要です。
カラーやブリーチよる薬剤
髪色を楽しむためのカラーリングやブリーチには、アルカリ性の薬剤が使われており、これがキューティクルを開かせる原因となります。キューティクルが開いた状態で薬剤が内部に浸透すると、髪の構造自体が変化し、水分や栄養が抜けやすくなってしまうのです。
この状態が続くと、髪はパサつきやすくなり、切れ毛や枝毛といったダメージが目立つようになります。髪色を楽しむ際には、施術後のトリートメントや保湿ケアを徹底しましょう。また、髪のダメージによっては、カラーの頻度を抑えることも考えなくてはなりません。
摩擦・熱・紫外線などによる乾燥
摩擦・熱・紫外線などによる乾燥も髪がダメージを受ける原因の1つです。摩擦や熱でキューティクルが開くと水分が蒸発し、髪が乾燥します。それだけではなく、紫外線は頭皮や髪の内部にまでダメージをおよぼし、タンパク質の変性やキューティクルの損傷を引き起こします。
その結果、髪は水分を保持する力を失い、表面がパサついてツヤのない印象になってしまうのです。そのため、乾燥しやすい季節には、保湿効果の高いヘアケアアイテムを使用して乾燥を防ぎましょう。また、外出時には帽子をかぶるなど紫外線対策を取り入れダメージの進行を防ぐと、紫外線による乾燥を防ぐ効果が期待できます。
おすすめのダメージケア方法
髪がパサついたり、広がったりする原因の多くは、ダメージの蓄積だといわれています。特にカラーやパーマ、毎日のドライヤーやアイロンなどは、気づかないうちに髪を傷めてしまっているのです。
そこで、一度日常のヘアケアを少し見直してみましょう。簡単な行動でもダメージを抑えながら美しい髪に維持に効果が期待できます。ここでは、すぐに実践できるおすすめのダメージケア方法について解説します。
シャンプーを変える
髪のダメージが気になっているのであれば、使っているシャンプーを見直してみましょう。市販の一般的なシャンプーは洗浄力が強すぎて、髪に必要な皮脂まで洗い流してしまう可能性があります。
おすすめしたいのはダメージケア用のシャンプーです。ダメージケア用のシャンプーには美容成分や、ケラチン・セラミドといった補修成分が配合されているものが多く、傷んだ髪にやさしく働きかけてくれます。髪の内側からしっかり栄養を与えることで、しなやかさとツヤが戻ってくるでしょう。
正しい洗い方をする
どんなに良いシャンプーを使っていても、洗い方が間違っていればその効果は十分に発揮されません。そのため、正しい洗い方も身につけておきましょう。
はじめにシャンプーをしっかり泡立てます。このとき、手のひら全体で泡立てるとお湯と空気をたっぷりと含み、モコモコとした弾力ある泡ができあがります。シャンプーを泡立てたら、地肌を指の腹でやさしくマッサージするように洗いましょう。
その後、3分間を目安にして丁寧にすすぎ、洗い残しがないようにします。髪を洗うときは、38度くらいのぬるま湯がおすすめです。なぜなら、熱いお湯だと必要な皮脂まで落としてしまうためです。また、熱いお湯で髪が濡れると、頭皮が乾燥する原因となるので、濡らす前に熱くないか必ず確認しましょう。
3分流したからといって安心せず、襟足や首の後ろなど、シャンプーが残りやすい部分を再度洗い流して、シャンプーの泡が残らないようにしてください。
シャンプーを洗い流したら、コンディショナーをつけます。コンディショナーは髪全体につけるのではなく、ダメージが出やすい毛先に集中してなじませましょう。すぐに洗い流さず、蒸しタオルで髪を包んで5分ほど放置すると、まとまり感のアップに効果が期待できるためおすすめです。
コンディショナーもシャンプーと同様、洗い残しがあると頭皮ダメージにつながる可能性があるため、ぬめり感がなくなるまでしっかり洗い流すのがポイントです。
このように、洗い方を意識するだけで、髪のダメージ進行を抑える効果が期待できます。いつも短時間で済ませてしまっている方はぜひ実践してみましょう。
トリートメントを使う
ダメージの程度が進んでいる場合は、インバストリートメントを取り入れることで補修効果が高まります。インバストリートメントは、コームでとかして髪全体に均等にいきわたるようにすると、浸透力がアップします。
その後、アルミキャップやシャワーキャップなどを使って数分間包み込むことで、補修成分がしっかりと髪の内部に届くためおすすめです。インバストリートメントは毎日のケアではなく、週に数回の集中ケアにあたります。このスペシャルケアが見違えるようなツヤ髪への近道となるのです。
シャンプー後はすぐに乾かす
シャンプー後はできるだけ早く髪を乾かしましょう。なぜなら、髪が濡れている状態はキューティクルが開いており、とても傷つきやすくなっているためです。
決して濡れた髪を自然乾燥のまま放置してはいけません。長時間そのままにしていると、水分が蒸発して乾燥し、枝毛や切れ毛の原因にもなります。タオルドライで余分な水分を吸い取ったら、なるべく早くドライヤーで根元から乾かしましょう。
摩擦を防ぐ
寝返りによる摩擦でキューティクルが剥がれやすいため注意が必要です。髪が長い人ほど、その影響は大きいといわれています。そこでおすすめなのが、シルク素材の枕カバーやナイトキャップです。
摩擦を最小限に抑えられるため、寝ている間のダメージを軽減できます。ただし、髪が濡れた状態でナイトキャップを使うと逆効果になるため、しっかり乾かしてから着用しましょう。
アイロンやドライヤーの前に保湿する
洗い流さないトリートメントやヘアオイルを適量手に取り、毛先を中心になじませておくと、熱による水分蒸発を防げるためおすすめです。特に、毎朝のスタイリングでヘアアイロンやドライヤーを使う前に保湿をしておくと熱から髪を守り、潤いを保てる効果が期待できます。
さらに、髪の表面に保護膜を作ることで、ツヤ感もアップし、スタイルの持ちも良くなります。ただし、つけすぎてしまうとベタつきの原因になるため、適量を意識して使いましょう。
紫外線対策をする
夏場や日差しの強い日は、髪の表面に強いダメージが加わり、乾燥や退色の原因になるため、肌と同じように髪や頭皮も紫外線対策をしておきましょう。髪の紫外線対策としては、帽子や日傘を使用するのが効果的です。
このとき、髪専用のUVスプレーや日焼け止めミストもあわせて取り入れると、より効率的に紫外線対策ができます。外出が多い方は、普段から意識してケアをしてあげましょう。
まとめ
髪のダメージケアは、一度に劇的な変化を求めるのではなく、毎日の積み重ねによって効果を実感していくものです。シャンプーやトリートメント選びはもちろん、洗い方や乾かし方、寝る前の準備など、一つひとつのケアが未来の美しい髪につながります。今日からできる対策を取り入れて、傷んだ髪をいたわる習慣を始めましょう。